峠の山小屋Ⅱ

ヒメアカネ キイトトンボ イチモンジセセリ イヌビワの実

 湿原を取り巻く 草むらに ヒメアカネがいた   まだ黄色い 羽化後間もないオスのようだ  止まっている花のつぼみはヒヨドリバナか 成熟すると赤くなる国内最小の赤とんぼ(アカネ属)    成熟したヒメアカネについては  →  こちらを参照   トンボ目 トンボ科 アカネ属         ヒメアカネ Sympetrum parvulum 姫茜      東アジア・極東     北海道・本州・四国・九州      丘...

廃園に咲く サギソウ イトイヌノヒゲ ワレモコウ

 例の丘の上の廃止された公園を 再度訪ねてみた   前回の記事は  →  こちらに     予想した通りの荒れようだった     伸び放題の草の中に埋もれかかった湿地があった 湿地の片隅に 白い花  サギソウが咲いていた   あたりに何株か花の終わったサギソウの株が見える 今年最後のサギソウの花に間に合ったようだ  湿地の中に 細いひげのような草に小さな白い花が咲いている イトイヌノヒゲという ホ...

ガガイモ ツクツクボウシ

 ガガイモの花   ヒトデのようなひげモジャの花が異様だが、     万葉集にも出てくるれっきとした在来種、              ほぼどこにでもある蔓草 葉は対生、ヘクソカズラを大きくした感じ   テイカカズラやカモメヅルに近い仲間       テイカカズラ  →  こちらに   カモメヅルは  →  こちらで  リンドウ目 キョウチクトウ科 ガガイモ亜科         ガガイモ Cynanchum ...

ソバナ シデシャジン ホタルブクロ ハグロトンボ

 高原の田圃の傍の沢の岸に咲いていた花の中からキキョウの仲間を集めてみた ソバナ  キク目 キキョウ科 ツリガネニンジン属             ソバナ Adenophora remotiflora 岨菜   本州・四国・九州    山地の林縁や沢沿いに自生する多年草  花期は8月、9月    絶滅 東京都  絶滅危惧Ⅰ類 4県      絶滅危惧Ⅱ類 2県  準絶滅危惧 5県      近くに自生しているので気にしてな...

フシグロセンノウ カワラナデシコ ゲンノショウコ

 林縁の草の中の朱色の花は フシグロセンノウ  野草にしては大ぶりの鮮やかな花 節の部分が黒っぽい(黒褐色)のでフシグロ   ナデシコ目 ナデシコ科 センノウ属             フシグロセンノウ Lychnis miqueliana 節黒仙翁     本州・四国・九州  山地の林床、林縁の多年草     日本固有種      絶滅  東京都      絶滅危惧Ⅰ類 3県  絶滅危惧Ⅱ類 5県      準絶滅...

イワタバコ 涼を求めて峡谷へ

 涼を求めて峡谷へ行ってみたが、   水の滴る岩壁の前に立っても         汗の吹き出す 蒸し暑さだった                梅雨明けが酷暑の始まりだもんねえ     峡谷の水の染み出る岩壁に  イワタバコが咲いた 紫色で星形の可愛らしい花 水の滴る岩壁に 一面にぶら下がる葉タバコのような形の葉 シソ目 イワタバコ科 イワタバコ属           イワタバコ Conandron ramo...

ウスノキの赤い実 オオバギボウシにツマグロコシボソハナアブが 

 雨が続いて、カメラをもって出られないので   少し前の在庫から 峡谷の沢沿いの道の辺   岩場に樹高20㎝程の草のような樹木が群がって生えていた ぽつぽつと赤い実がついている  帰ってから調べてみた、 ウスノキというらしい   5月頃黄緑色で釣鐘型の花をつけ7月頃赤い実がなる 赤い実には五つの稜があり 先端がへこんで臼のようになるのでウスノキという  赤い実は食べられる、ナツハゼやコケモモ、ブル...

梅雨の渓谷に ヤマアジサイ テイカカズラ エダナナフシ

 峡谷の渓流沿いの道路わきに ヤマアジサイが咲いていた 青いのも、赤いのも  ヤマアジサイはガクアジサイを小ぶりにしたようで同種または亜種といわれ 西洋アジサイの原種と言われている ヤマアジサイについては  →  こちらなども 崖に垂れ下がった蔓はテイカカズラ  ちょうど満開テイカカズラは蔓性の常緑樹 草ではない テイカカズラについては  →  こちらも 草の葉の上に細長い虫  エダナナフシの幼体だ...

ササユリ コアジサイ コガクウツギ ヤマアカガエル

 谷間に ササユリが咲いていた。    木漏れ日の中に白い花が揺れていた コアジサイも淡いブルーの花を咲かせた  コアジサイは装飾花をつけない野生のアジサイです。   アジサイの原種と言われるヤマアジサイはまだ蕾だった               過去のヤマアジサイの花は  →  こちら   白い花はコガクウツギ  これもアジサイの仲間   白い額の装飾花と中央の小さい両性花 山道の前方にカエルが...

タニギキョウ 地エビネ

 ちょっと湿った林床で 小さな白い花を見つけました。   一見 ハコベかなと見えるように群生しています。 タニギキョウと言います。   花弁が五裂しています キキョウの仲間です  蕾はこんな感じ  キク目 キキョウ科 タニギキョウ属 Peracarpa carnosa                変種 タニギキョウ P. c. var. circaeoides     カムチャッカ、南千島、樺太、日本、朝鮮・中国の一部 ...

フデリンドウ咲く 小田川源流にも春 

 久しぶりに小田川源流部まで足を延ばした           昨年の豪雨の爪痕はまだ生々しい 真備町など下流の生活地域が優先されるためか  上流の谷はほとんど手つかずで放置されたままだ            そんな峡谷にも 花は咲く・・・フデリンドウ 春に咲く小さなリンドウ     小さいものは花の先端から地面まで4㎝ほど     ちょっと変り者がいた          小さな花だけど、倒...

コショウノキ ミヤマカタバミ

 峡谷の林床にひっそりと咲いていました コショウノキと言います ちょっと貧弱なジンチョウゲのようですがこの地方に自生する小灌木です。 近寄るとジンチョウゲそっくりの花から芳香が香ります。 アオイ目 ジンチョウゲ科 ジンチョウゲ属              コショウノキ Daphne kiusiana 胡椒の木  関東以西の太平洋岸・四国・九州  常緑低木  枝先に芳香のある花を数個つける 球状の液果が6月に赤く熟...

赤と黒  ヤブコウジ サルトリイバラ ツルリンドウ ナツハゼ コスミレ

 吉備高原(とはいっても裏山ですが)の山道で見つけた木の実など ヤブコウジ(藪柑子)   別名 山橘   この雪の消のこる時にいざ行かな山橘の実の照るも見む   大友家持 サルトリイバラも赤い実です。  生け花の世界では山帰来ともいうようです。  「柏餅の葉」の実と言えば西日本の人には分かるでしょう ツルリンドウの実も赤い実です 黒い実がたくさん生っていました。ナツハゼの実です。  子供の頃、山仕...

モズ ウラギク アッケシソウ

 朝夕は寒くなって    モズの声が身近に聞こえるようになりました スプリンクラーの天辺にモズがいました   メスのようです 干拓地の水路に野菊が満開です ウラギクといいます 塩湿地に生える菊です 準絶滅危惧  海辺の限られた場所にしかありません       ウラギクについては →  こちら 海水の湧き出す水辺にはアッケシソウが紅葉していました   アッケシソウも絶滅危惧Ⅱ類の貴重な塩生植物です  ...

秋の高原 センブリなど

 野菊が朝露を纏っていました    ノコンギクかな センブリも咲いた センブリはキキョウの仲間です       6枚の花弁もある 草むらにアオイトトンボがいました  ブルーの目が綺麗です アキノタムラソウにはリスアカネが  キバナアキギリもありました...

フデリンドウ ヒシバッタ コメツキムシ

 フデリンドウが咲きました 小さい株はこれで全体 蕾ですが、大きめの株はこんな感じ  一本の茎に複数の花が筆のようにつくところから名付けられたようです   フデリンドウの以前の記事は  →  こちら 足元でぴょんと跳んだ虫がいました。  目を凝らすとヒシバッタです。 体長7㎜程 目をそらすと見失いそう コメツキムシの一種ですが何でしょう...

トウゴクサバノオ オオマルバコンロンソウ ヤマルリソウ イチリンソウ ヤマブキ

 ヤマブキがあっちでもこっちでも満開です   七重八重花は咲けども山吹の実の一つだになきぞあやしき(後拾遺1154) 有名な和歌ですが 野性の山吹の花は一重です  ちゃんと結実します  八重のヤマブキは栽培品種で実を結びません。   「七重八重・・・」の和歌は    10世紀には八重山吹が国内で栽培されていたことを示しています。 山道のほとりにいろいろ咲いていました。  イチリンソウ ヤマルリソウです...

峡谷の春 ユキワリイチゲ コチャルメルソウ シロバナネコノメ ハルトラノオ ミヤマカタバミ コショウノキ 白骨も

 吉備高原の割れ目(峡谷)へ降りてみました  ユキワリイチゲがまだ満開状態です ほんのり青紫 コチャルメルソウが咲いています 白い花のネコノメソウ、その名もシロバナネコノメ  コチャルメルソウとシロバナネコノメについては  →  こちらを ハルトラノオです   タデ科の小さな花 ミヤマカタバミがありました  中国山地の中腹で見たことがあったのですが、           こんな近くにもあったとは コ...

フシグロセンノウ ソバナ ナツエビネは蕾 オオアオイトトンボ マダラホソアシナガバエ

 フシグロセンノウが咲きました  林縁の緑の中でひときわ目立ちます            野生種と思えないほど大きく立派な花です 水辺には薄紫のソバナがたくさん花をつけています    ソバナとフシグロセンノウについては  →  こちらも そろそろ咲くころと見に行ったナツエビネはまだ蕾でした そのそばに オオアオイトトンボ♂がひっそりと止まっていました 陽の当たる葉の上にせわしなく動き回る虫がいます ...

イワタバコ

 渓沿いの薄暗い岩壁に星形の花が咲きました イワタバコです  垂れ下がった大きな葉がタバコの葉に似ていることから名付けられた   そうそう セントポーリアもイワタバコ科だそうです 湿ってほぼ垂直の岩壁に限って生える  シソ目 イワタバコ科 イワタバコ属           イワタバコ Conandron ramondioides 岩煙草       本州 四国 九州  海外では台湾   イワタバコについては...